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(1589)冬の奄美はクジラの季節

ザトウクジラ

奄美群島の周辺でよく見れるクジラはザトウクジラという種類です。

体長12~16m、体重:30トン、生まれたての子供でも体長5~6m、体重が2トン、寿命は50年~100年、一回の潜水時間は大体15~30分くらいのようです。

 

季節ごとの大移動

夏、極地(北極・南極)付近の海ではオキアミが大量に発生し、小魚も沢山生息します。

ザトウクジラはそれら豊富な獲物を食べて体に脂肪を蓄えます。

冬、熱帯・亜熱帯の海に向かいます。暖かな海で繁殖し、子を生み育てます。

暖かな海では、食べ物をとらず、体に蓄えた脂肪を消費して暮らします。

1月〜3月中旬までがハイシーズン

  • 12月中旬くらいにまずやってくるのは妊娠中の母クジラや単独のオスクジラ。南に向かって泳いでいくクジラが多く観察されます。
  • 12月下旬~1月は子連れの母クジラ。この時期になると奄美群島周辺にとどまって子育てをする母クジラが増えはじめます。
  • 2月には頭数もピークを迎え、母クジラと子クジラが寄り添ってゆったりと泳ぐ姿が観察しやすい時期になります。
  • 3月に入ると子クジラが大きくなってきて、母クジラとともに北上ルートをとりながらロシアやアラスカに旅立っていくクジラが観察されるようになります。


ザトウクジラの歌

クジラたちは、短く高い音と、長く続く低めの音の二種類を、目的に応じて使い分けています。

短いほうの音は、「クリック」とよばれ、これは周りの様子を知るための音です。

これは、人間が海中を探るために使う音響探知機と同じ仕組みです。

 

もう一つの、低い連続した音は、「ホイッスル」とよばれ、主として仲間どうしのコミュニケーションに用いられます。

 


ザトウクジラは、このホイッスル音で「歌」を歌うことが知られています。五分から二十分くらいの間隔で、まるでメロディのように、ひとまとまりの決まった音をくり返しくり返し発します。 

 

この歌の役割は雌への求愛のほか、雄同士のけん制や、距離を保つためと考えられますが確証がなく、よく分かっていません。